おるた家族食堂1周年記念フォーラム開催しました

 2017年6月17日(土)「新横浜発!食でつながるゆる~い絆」を開催しました。

 オフィスビルとマンションが林立する新横浜。働く人と住む人がクロスする場を作りたくて昨年4月「おるた家族食堂」を始めました。子どもたちには、肉親と先生以外にもまちにはいろんな大人がいることを伝えたいとも思いました。一年が経過し、食を真ん中にした場づくりについて地域のみなさんと考えるためにフォーラムを開催し、加藤彰彦先生(沖縄大学名誉教授)から基調講演をいただきました。野本三吉のペンネームでの著書も多い加藤先生は貧困の子どもや家族を支援する第一人者。沖縄大学学長を退任し横浜市に戻られた現在も、未来への子どもの貧困対策として「沖縄モデル」をつくろうと精力的に活動されています。

 「おるた家族食堂」は経済的な貧困に直接リーチする活動ではありません。しかし、人間関係性や情報、体験の貧困、自己受容感の貧困は、多くの子どもや若者に共通する課題と捉えています。加藤先生には今回、学校の価値観で暮らす子どもたちの息苦しさや依存性、人間関係の固定化などの課題を中心に、地域を子どもとつくっていくことの可能性を提案していただきました。

 

 小さな自分史として「次の世代を担う人たちを育てていく。応援する。それが人が生きる目的ではないかと考えている」と語られた言葉に、優しく背中をさすられたような気がしました。

 パネルディスカッションでは、NPO法人サードプレイス代表理事の須田洋平さんと「おるた家族食堂」の会員、大森享英さんが登壇し、それぞれの活動紹介と加藤先生とのクロストークをしました。

 サードプレイスは、さまざまな理由でサポートを必要とする子どもたちに向けて、市民参加で居場所をつくることを推進する団体です。「こども食堂は子どもの貧困対策ではない。『ラスボス』は誰なんだろう?といつも考えている」という須田さんの問いかけに、「気づいた市民が実態調査をすること。子どもの声を聴くことから始めよう」と加藤先生からエールが送られました。

 

 限られた時間の中では、伝えたいことが伝えきれなかったパネラーの二人。特に大森さんは二人のお子さんにマイクを奪われながらのトーク。しかし、会場にはそうした市民活動に長年関わって来た先輩たちもおおぜいおられ、若い世代の活躍に希望を感じるとの発言もありました。

 

 

 「おるた家族食堂」は、地域のさまざまな世代が出会う場として、ゆる~く継続していきます。